王地山焼は、江戸時代末期、文政年間(1818〜30)、当時の篠山藩主であった青山忠裕(あおやまただやす)がこの王地山の地に築いた藩窯です。  三田藩で青磁焼成に成功した京都の名工、欽古堂亀祐(きんこどうかめすけ)を招いて指導させました。製品は、青磁・染付・赤絵などの中国風の磁器を模したものが多く、手彫りの土型で素地を型押し成形するなど、繊細かつ高度な技術をもって作られていました。当時、大名たちの間では、茶器を焼く藩窯を持つことが流行していました。また、藩主の社交や藩内の産業育成などが開窯の背景であったと考えられています。篠山藩や地元の豪商などの保護もあり、嘉永年間(1848~54)の最盛期には幾多の気品ある作品が焼かれていましたが、明治2年(1869)廃藩置県を目前にして廃窯の運命となりました。

幻の磁器を復興、その火を未来へと紡ぐ―
王地山陶器所

現在の王地山陶器所は、廃窯から100年以上の時を経た昭和63年(1988)に、同じ王地山の麓に復興されました。  独特の緑色の青磁、染付、赤絵などの作品を当時の技法を使って製作しています。併設された展示室での展示・販売のほか、百貨店やギャラリーでの作品展も行っています。 王地山陶器所では引き出物、記念品などのご注文も承っております。また、陶芸教室も行っています。詳細はお問い合わせください。

作家紹介

竹内 保史takeuchi yasushi

1973年 佐賀県生まれ、大阪に移る
1992年 大阪府立港南高等学校美術科卒業
王地山陶器所入所
1994年 西脇市美術展覧会 優秀賞受賞[’05]
2009年 第63回姫路市美術展 入選
2014年 第43回日本伝統工芸近畿展 入選
[’15 ’17 ’18 ’20]
2015年 第53回兵庫工芸展 神戸新聞社賞

児玉 玲央奈 Kodama Reona

1984年 福岡県生まれ、茨城に移る
2009年 京都伝統工芸専門学校卒業
王地山陶器所入所
2014年 篠山にて個展開催
2015年 2015播磨・工芸ビエンナーレ佳作
第11回篠山市展 優秀賞

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